ふんわりボーカル曲録音に、意外な苦戦。

コンサート・ツアー情報

バリバリのタンゴ、ゴリゴリの昭和歌謡、宝塚系、超難しい書き譜など、ハードな仕事が多い歌もの。今回は、「アレンジお任せ、譜面なし、ふんわりボーカル、しかしよく聴くといろんな仕掛けがある」という3曲の録音依頼。

ボーカルと共に「ふんわり」弾くと、一緒に唄ってしまい、ただ共に進行してしまう。合間にフレーズを入れようとすると「それは古い手法なのでやめてほしい」とのクレームが。

うん、わかります。さりげなく後ろで鳴っていつつも、歌の流れをサポートするようなツボを得たフレーズをサラッと、でもスリリングに。書いてしまうと予定調和になってしまうので、なるべく書き込まず、アドリブで。

「アコーディオンではなくあえて、バンドネオンに頼んだ」という意図を汲んだ、フレーズ。

ううううううう、、、、、、、

1日で3曲、ふんわりゆるっと楽な感じで録音。と思いきや!!!最初の一曲で5時間を費やし、最後の8小節だけで1時間以上の沼にハマる。。。音数削ったりタンゴ的なフレーズ入れたり悩みまくり、このオーダー全てに対応するにはどうしたら、、、つーか、ここまで方針が決まってるなら譜面書いてください。と言いつつも、そこは奏者を信頼、より良いものが出てくるという期待を持ってくれているのは、ありがたいこととして受け止めよう。

脂汗を流しつつ苦しんでいると、「このチェロを聴くべし」と。

いいよね。カエターノ。

気持ちが落ち着き、なんとか録音終了。

後2曲は、「両手で対位法的に動く」「ずっと動き続けて流れるフレーズ」などなので、ある程度譜面を書いておかないと、蛇腹とボタンの配列状無理がある。

はっきり言って、準備8割、演奏2割。でも、決めすぎずにアドリブで動ける範囲で。考えすぎもよくないし、ハーモニーなどある程度考えておかないと、このランダムなボタン配列の楽器では厳しいだろうな。

しかし、久しぶりの録音仕事は苦しいながらもとても楽しく、また、初心者マークを外したKAZANE号での録音現場への移動も、道を間違えながらも楽器2台を快適に運ぶことができて嬉しかった。ああなんか、このコロナ禍を抜け出しつつあるんだなあ、と感慨深い1日でした。

車中では大橋トリオをずっと聴きつつ、さりげないのにツボを得ている。という技を痛感。すごいよなーこの人。

今回から「コンタクトの上にかける近視乱視矯正のうっすい度入りサングラス」を使用。よく見えるし、紫外線もカットしてくれるし、可愛いので気に入っています。

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