kazaneこと、バンドネオン奏者の小川紀美代です。今夜、都内から四日市へ、深夜バスで向かいます。
手荷物30キロの移動
バンドネオンは約100年ほど前に作られた楽器です。それ故、どんなに丁寧にメンテしていても不意に起こる故障は避けられません。実際、故障のために演奏続行が不可能になり、ステージ袖で修理をしてボンドが乾くまでお客さんに待っていただいたり、修理も不可能、演奏もできないためにCDをみなさんにプレゼントしてコンサートを中止させてしていただいたこともありました。仕事としては大損害です。
そのために一台7キロ、ケースや譜面なども含めると8キロほどのバンドネオンを二台、常に持ち歩いています。
最低装備として、譜面台、販売用CD、衣装。私は替えの下着、靴下類1着しか持ち歩きません。あとは仕事用のPC、電源類、コンタクト、メガネなど。女子的なものはものは一切無し。化粧品も最低限です。それでも30キロ近い荷物になります。
高速バスとの闘い
移動は主に新幹線など電車、もしくは飛行機でした。
高速バスは安いし、場所によっては乗り換えの必要もなく便利です。しかし、重大な問題があります。それは、「貴重品をバスのトランクに預けられない」のです。
もちろんバンドネオンは貴重品です。
トランクに預けるために厳重に梱包して臨んだことがあります。スーツケースなどを積み込むときなど、意外と乱暴な扱いをしているのを見て思わず、「これ、楽器なので少し丁寧にお願いします」と申し出たところ、「お客さまにご乗車していただくことはできません。規約に貴重品はお預かりできないと書いてあります。」と冷たく乗車拒否されました。「厳重に梱包してあります」と言っても全くだめ。仕事に行けない!と泣き付いたら、運転手さんが「運転席の後ろに空席があるから乗せてあげる」と言ってくれて難を逃れました。
これと同じように拒否されかかったことがもう一度あり、それからはバスに乗りませんでした。
または一台のみ持つようにして利用しました。
しかし!故障の確率があるというのに、一台で行くのはものすごいストレスです。遠くまで行って、演奏ができない!なんてことになったら、、、、
今日も、一台で行こう。と思っていましたが先ほど荷造りをしながら「やっぱり二台持ちで行こう」と決めました。
ハードケース登場
この、宝箱みたいなのがバンドネオンのハードケースです。
アルゼンチン製なのでつくりは雑ですが笑、めちゃくちゃ丈夫です!少々乱暴に扱われても、大丈夫!
これは!バンドネオンのための車中泊グッズとして最適です!笑!
今日の作戦!
もう一台のメインの楽器は車内に持ち込みます。足元には入らないので、ずっと抱えていることになります。空席があれば置けるのですが、今日はどうかな。もう、眠らない覚悟で行きます。楽器の故障の心配に比べたら、一晩寝ないくらい大したことないです。ちなみに、到着した日は一日フリーにさせていただいているので、体調管理ができます。
これが本日の装備。
三重ではそれぞれ主催者さんのお宅にお世話になる予定なので、身の回りのものは本当に最低限です。でも、ハードケースが重いので、やっぱり30キロコースかな。
みるからに怪しい笑。みるからに貴重品、宝物です!
今日は、これが楽器だとは口が裂けても言いません。しかしハードケース。安心感抜群です!重いけど、、、
さあ、今日は乗車拒否されずに乗り込めるでしょうか。
結論。早く車で移動できるようになるべし。
多分この荷物、普通の女性には移動不可能だと思います。私も昔は無理でした。でも、必要に迫られて力持ちになったのか?もしくはカートの使い方が上手くなったのか、今では割と普通に持ち運んでいます。
しかし、もう一つ問題があります。
バンドネオンの演奏は、椅子の高さが重要です。高すぎると、ストラップのない楽器なのでずり落ちてしまうため、フルコンサートなら1時間半、爪先立ちで7キロの物体をテンションをかけながら弾くことになる。そういうことが実はほとんどです。私のふくらはぎは、筋肉でガッチガチです。
しかし最近は快適に演奏したいので、椅子を持ち運んでいます。プラスチックの足台のようなものなのですが、それに黒布をかけるといい感じなのです。
さっきまで、主催者さんと椅子についてやりとりをしていました。思わず持参しようかと思いましたが、これ以上は無理だと諦め、お任せすることにしました。でも電車移動の時はこれプラス、椅子も持参したりしています。一体私の仕事はなんなのだ!?引越し業者でしたっけ?みたいな感じになってきます笑。
というわけで結論。
早く車移動できるようになりましょう!
いずれにしてもバンドネオンは手のかかる楽器です。茨の道を選んだのは自分自身。より良い状況で演奏するためにも、運転テクニックを磨くべし!
まずは、乗車拒否が切り抜けられるか。「全然貴重品じゃないんで」っていう顔を、頑張ります。