よく「バンドネオンとヴァイオリンは合うよね」とか言われるけれど、全然違うと思う。
楽器の種類やジャンルで「合う」のではなく、奏者の「音楽性」そして「人間性」で合う合わないが決まるのだ。
一般的に言われているいわゆる「相性の良い楽器」同士でも、奏者の「相性」や「考え方」が合わないと当然、合わない。
いまだにバンドネオン=タンゴと言われるけれど、これも違う。
楽器は何を弾いてもいいんです。
例えばバンドネオンのアイデンティティはタンゴが深く関わっているので、それを理解するために勉強すべきだとは思う。
でも、起源はパイプオルガンの携帯楽器として作られたという歴史があり、世界中でいろいろな音楽に使われているってことが知られていなさすぎる。
言わせて貰えば現在ではタンゴ=ピアソラみたいになっているけれど、ピアソラは「タンゴの語法を使って素晴らしいオリジナル作品を作曲した人」なのだ。
だから、「タンゴを破壊した」なんて言い方は、ナンセンス過ぎる。
そして、バンドネオンを弾いているだけでタンゴを演奏するのが当然。という見方は、とても日本人的なカテゴライズだ。
この考えだって、商業的に流通している音楽だけしか知らない、ただの上っ面の知識でしかない。
例えば実際アルゼンチンやヨーロッパに行ってみれば、日本人が知らない素敵な音楽なんて山のようにあるのだ。
楽器を演奏することは、自分でしかできない表現をすること。
シンプルに、これが正解だと思う。
そして、共演者は率直に「その人の出す音」が好きでそれを心からリスペクトできる人であること。
それは同時に「その人の人生」が直結していて、お互いの考え方も同時に共感できることが大事だと思う。
昨日は6月のコンサートのリハーサル。
時間をかけて丁寧に譜面をさらい、その後美味しい手料理を振る舞っていただいた。
たくさん話して、たくさん笑った。
素晴らしい時間。
譜面を上手に弾くだけでは「音楽」にはならない。
こういう時間が、素晴らしい音楽を作る。
そういう「人間」が「心から奏でる音」を、みんなに聴いて欲しい。
