立ってバンドネオンを弾くスタイルといえばアストル・ピアソラを思い浮かべる方も多いだろう。
7キロの重量のあるバンドネオンを一本の足にしか置かなかったら、安定性はないけれどその重みで途轍もなく強い音を出すことができる。
その代わり、ストラップのないこの楽器を、腕力のみで支えなければいけない。
そして、片足で踏ん張りつつ、時にはスクワットのように足を折り曲げつつ演奏する、と言うことになる。
ピアソラは1つのコンサートが終わると2キロ体重が落ちていたという。
それだけ激しい演奏スタイルだといえる。
(ちなみに私は2キロまではいかないけれど、1、5キロくらい落ちます)
Astor Piazzolla-Live at The Montreal Jazz Festival
バンドで演奏するときは、片手の場面も多いので、いつも立って弾いていた。
でも、ソロは両手で弾き続ける関係上長く蛇腹を使うため、安定した演奏をするために座って弾く必要があった。
特に私のような力のない小さい女性は。
ふと、
立ち上がって、
背筋を伸ばして、
もっと自分の音をダイレクトに、
聴いて欲しくなった。
立ってソロを弾き続けることは、奏者でなければわからない体力と気力が必要で、まだまだ身体と楽器のバランスを探りつつ、筋肉をつけつつ、練習する必要があると思う。
まだ未完成だけれど、明日のコンサートからトライしてみようと思う。
ピアソラは生まれながらに小児麻痺を患っていて、右足が左足よりも長かったそうだ。
障害を持ったその足を、隠すのではなくドーンと前に出して堂々と演奏をした。
誰よりも情熱的に。
ジャズの歴史に名を残すギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトだって、左手を火傷して2本しか指が使えなくなってもそれを乗り越えて、独自の奏法を編み出した。
だからこそ、あのサウンドが生まれたと言える。
ジャンゴの二本指での演奏風景。
川崎市幸区主催の「多文化フェスタさいわい」で明日、演奏します。
楽しいイベントもいっぱいなので、ぜひ、遊びにきてください。
汗だくで、演奏していると思います笑。
奏法を変えてみることで、自分の中で何かが変わる気がしている。
春だしね!