１１月フランスから初来日するMezcal jazz Unitとのツアー準備を日々、進めています。その中で感じる「日本とフランスの文化の違い」について、書きたいと思います。
とはいえ、もしかしたら以下の意見は、個人の考え方に寄るものも大きいのかもとは思います。全てのフランス人や日本人がこの通りではないと思うことを、あらかじめお伝えしておきます。
ベストな要望から伝えるフランス、下手下手に交渉する日本
音響や滞在ホテルのことなど、彼らはベストなことをまず、伝えてきます。そして「状況には柔軟に対応します」と付け加える。
日本ではまず、最低限の条件で「最悪、これでも頑張れる。でももしできたらこうしたい」と伝えることが多い気がします。この方が受け入れ先は、「なるべくいい条件にしてあげたい」と思うようです。
個人的には、最善をまず提案することの方が健全だと思うし、わかりやすい。しかし中には「上から目線」に受け取られてしまうこともあったりでなかなか難しいです。
日本の美徳とされている「謙遜」は美しい習慣ではあるけれど、世界的に考えると、かなり独自の文化なのではないかと思います。
自由とプライバシーを大事にするフランス、みんな一緒で同じ行動を取るのが重要な日本
私は子供の頃から「協調性がない」「みんなと一緒に行動できない」「考え方が独自すぎる」などと責められ続けてきました。しかし、この２年で２回の１ヶ月間のフランス滞在を経験し、プライバシーと自由、そして個人の意見を尊重してくれる彼らに感謝しました。誰も私を変人扱いしなかった。というか、みんな、そんな感じでした笑。自分の生活をそれぞれが楽しみ、自分で責任を持つ。みんな違うのが当たり前でした。
日本人は「みんなと同じ」ことを重要視します。そのおかげで発展したことも多いとは思います。でも今、疑問を持ち始めている流れもあるはずで、多様化などと言っていますがなかなか定着しません。というか、そんなこと以前に人は一人一人違うのが当たり前だと思うし、みんながしていることでも、自分がしたくなかったらしないという選択が、もっと自然にできたらいいのに。と思います。
納得するまで話し合うフランス、曖昧な笑顔で収める日本
フランスでは「自分の意見をはっきり言う」ことがマストでした。どう思うのか、何を選ぶのか、食事でも生活の中でも音楽でも、「どちらでもいい」と言う答え方をすると、どっちなの？と聞き返されました。
日本はグレーの部分が多いです。周りに合わせるとか、空気を読むとかもあります。こう言う文化圏だからこそ生まれた芸術もあるし、正直全てをイエスかノーかで言うのが疲れる部分もあります。
でも逆に、意識して「はっきり自分の意見を言う」と言うことを心がけるようになりました。これは自分にとって良いことだったと思います。
文化の違いを越えると言うこと
私がフランスに滞在した時、彼らは心からケアしてくれました。それは、お世話を焼くことじゃないし、豪華な食事でも、観光でもありません。
自由に過ごせる空間を提供してくれたこと。
ゴッホの「黄色い部屋」のような、私の部屋。１回目のコンサートに来てくれた、マネージャーのお友達のセカンドハウスに滞在しました。一軒家なので練習もできて助かりました。この家で、新しい曲も生まれました。
放っておいてくれたこと。
美しい南仏の村を、たくさんお散歩できました。私は観光が苦手です。リラックスして過ごすことができました。
でも、必要なことはきめ細かく準備してくれたし、日本から来ると言うことで、こちらからすると微笑ましいような気遣いもありました。
日本から夜中に到着した時は、マネージャーのエリザが手料理を作っておいてくれました。
炊飯器と日本米がキッチンにさりげなくおいてありました涙。
散歩から帰ると、窓際にフルーツを置いておいてくれたり。
結局、文化の違いを乗り越えるのは、愛しかないんです。
フランスで、私は彼らから、本当の意味での大きな愛を受けたと思っています。大袈裟ではなく、自分の人生が変わるくらいの。
この愛はシンプルです。
私たちを繋いでいるのは、音楽です。
いい音楽を作るためには、演奏家の音楽と人間性を大切に思う、気持ちが必要です。
私のバンドネオンソロを、時には涙ぐみながら聴いてくれたMezcal Jazz Unitのみんな、そして長い間、共演に向けてのコンタクトを続けてくれたマネージャーのElyzaのこと。
旅するバンド、MJUが作り出す独自の音楽とバンドネオンのコラボレーション。
初来日のツアー、ぜひお越しください。愛が詰まったツアーです。
Music Caravan Project～旅する音楽祭～公式HPはこちらから。
音源や動画もアップしていますのでお楽しみください。「お問い合わせ」ページからご予約のご案内もしています。
