12月、1月と、体調が不安定になると思うのでコンサートの予定入れていない。
その分、未収録曲や再録音したい曲などを練習し、まとめて形にしたいと思っている。
数日前から一日1時間限定で、バンドネオンの練習を始めた。
座奏でまずは静かに指を慣らすつもりで。
蛇腹を引っ張るときはそうでも無いけれど、レバーを使いながら一気に戻すと胸筋と術後の傷口がまだ痛む。
でも逆に、静かにゆっくり弾くことは、かなり良い練習になるので、良い機会かと。。
練習後、家事などしていると腕が練習前よりも可能域が広がることに気づいた。
棚の上のものがさっと取れたり。
怖い痛いとじっとしているより、少しずつでも動かした方がリハビリになると感じる。
今朝ふと、以前録音したきりで最近演奏していないアルゼンチンタンゴの名曲「Volver」が弾きたいと思った。
譜面を探し出し、歌詞を調べてみたらなんだか自分の今の心境に怖いくらいぴったりだった。
この曲は歌手、カルロス・ガルデルが作曲し、伴奏をしていたギタリスト、アルフレド・レ・ペラが作詞した。
2人は同名の映画の撮影で訪れていたアメリカから母国アルゼンチンへの帰郷途中、残念ながら飛行機事故で亡くなったという曰く付きの曲でもある。
自分なりの言葉で訳してみた。
「帰郷」
過去に戻るのが怖い。
人生にもう一度向き合うことが。
夜が来るのが怖い。
思い出が沢山あって、私を目覚めさせない夜が。
逃げ出した旅も、いつかはその歩みを止める時が来る。
過去の幻想を全て壊されても
慎ましい希望を密かに持ち続けよう。
それは私の心の全てだから。
帰ろう。
時間という雪が、私のやつれたこめかみを白く染めても。
感じる。
人生は一瞬。
20年なんて、あっという間の出来事。
熱さで朦朧とした眼差しで
影の中をさまよう。
あなたを探して
あなたの名を呼びながら。
生きていこう。
もう一度。
泣けてくるほどに甘い思い出を、胸に。
。。。。。。。。。。。。。。
自分自身の故郷。
それは実在する場所とは限らない。
大切な場所。
愛しい人。
帰ろう。
そして、
生きていこう。