バンドネオン2台と仕事道具、そして最低限の身の回りのモノを車に詰め込んで海を渡った北海道車旅ツアー。
数年前には、思いもつかなかった自走、自炊、車中泊。
演奏の仕事といえば、飛行機とホテルのチケットが主催元から送られてきて、当日は空港や駅からコンサート会場へお迎えがあり、終演後には打ち上げ、そしてホテルにまた、送り届けてくれる。
それが普通だった。
コロナ禍を境に、仕事の様相も、大きく変わった。
でも、この仕事を続けたいという気持ちは、全く変わらなかった。
ならば。
続けられる形態を、自分で作っていこう。
そのチャレンジは、思いのほか刺激的で楽しくて、旅をすること自体が大きな喜びとなった。
見知らぬ土地を不安でいっぱいになりながら走り続けた後の、達成感。
車と共にフェリーに乗り込み、そこで見た夜明けの海。
走りながら受ける、風。風景。
それが全て音になって、溢れ出ている気がする。
ドアトゥドアでのコンサートでは、自分が一体どこで今演奏をしているのかさえ、わからない。
アクセルを踏んで、自力で走って初めて、今自分がどんな土地で誰に向かって演奏したいのかがリアルに感じられる。
「普通」を打ち破ってみたら、今まで見えなかった景色が見えた。
人生はチャレンジの連続。
そこで得た経験は、何にも変え難い。
世界は美しい。
今は本当に、そう思う。
北海道で出会ったすべての皆さんに、大きな感謝を!!!