まずはその経緯から。
2017年、福島県川俣町からは日本代表としてアルゼンチン最大の音楽祭、コスキンフェスティバルに送り出していただきました。
その旅の中で日本移民の方々、ブエノスアイレスのミュージシャンなどみなさんのご協力でコンサートを実現。
そこに招待されていたのがトロイロのお孫さんで音楽プロデューサーのフランシスコ・トルネ氏でした。
彼は私のソロ演奏を聴き、トロイロの事務所に連れて行ってくれました。
その後、国立タンゴ博物館ホールで手渡された、トロイロの愛器。
「これを君に弾いてほしい」
翌年、トロイロの命日に捧げた私の曲、「5月18日」のブエノスアイレスのでのラジオでのオンエアをきっかけに、その名器でのブエノスアイレス録音が実現。
sola en Buenos Aires,yo estoy aqui ブエノスアイレスにひとり、私はここにいる
Homenaje a Anibal Troilo~アニバルトロイロに捧ぐ~
2018年7月11日発売
「伝説のマエストロ、アニバル・トロイロが実際に使用した愛器でのブエノスアイレス録音。小川紀美代のオリジナルアレンジによる渾身のバンドネオンソロ全5曲、時空を超えた響きが今、蘇る。」
「小川紀美代はバンドネオンでその情感を表現する、芸術家だ。」
フランシスコ・トルネ
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そして翌年はなんと、そのバンドネオンを携えてフランシスコと二週間の日本ツアーをしました。
「博物館で眠らせておきたくない。時代を超えて、多くの人にこのバンドネオンの響きを聴いて欲しい」
そんな中、トロイロの魂を伝えるべく、伝説のマエストロ、アニバル・トロイロのドキュメンタリー映画”Pichuco”の日本語字幕版を制作しました。
音楽映画のためあえて翻訳会社には依頼せず、ごく親しい友人たちでチームを作り、音楽家の立場からの翻訳を実現。この時の制作は忘れられません。
大変だった。
でも、楽しかった。
アヴェジャネーダ音楽学校に勤める一人の教師は、生徒たちと共に、アニバル・トロイロが遺した手書き譜のデジタル化に取り組んでいる。その数、約500曲---。
この映画は、様々な世代、ジャンルの音楽家へのインタビューを通じタンゴとアルゼンチン音楽の歴史において最も重要な人物のひとりであるトロイロの世界を旅する音楽ドキュメンタリーである。
原題:Pichuco 監督:Marti´n Turnes 配給:Puente Films
制作国:アルゼンチン 制作年:2014年 上映時間:81分
日本語字幕版制作:小川紀美代 翻訳:牧野翔 字幕:豊崎竜信
2017年に川俣コスキンで優勝すべく、生徒たち有志で結成した「小川紀美代と蛇腹隊」の1年間の猛特訓から始まり、丸々2年越しの壮大なプロジェクトでした。
日亜修好120周年記念公演~タンゴの偉大なるマエストロ、アニバル・トロイロへのオマージュ~「Encuentro con Anibal Troilo 2018」
プロジェクト公式HPはこちら
映画”Pichuco”の予告編はこちら
少しずつコンサートの企画も動き出し、5月18日を前に、上映会とコンサートの復活を思い立ちました。
トロイロの音楽家としての本質を語る素晴らしい映画です。
ぜひ、見て欲しい。
5/14(日)入間・古民家レンタルスペース遊喜オープニングイベント
詳細はこちら
9/24(日)長津田・みどりアートパークホール〜上映会&トークライブ〜
13:00開演予定
詳細分かり次第また、お知らせします。
Pichuco、とは、トロイロのニックネームですが、「太っちょ」という意味だと知ってましたか笑?
すごいマエストロなのに、「おい、太っちょ!」って呼ばれるのって、いいよね。
愛されてるんだなー。