私の場合、「行きたい」と思える場所は、素晴らしい観光地でも、グルメでもなく、「会いたい人がいるところ」だ。
そしてそこは、本当の「ふるさと」でもあり、魂の「家族」に会いにいくことが何よりも嬉しい。
だから、私にとっての旅は、いつでも「人」のつながりで行く場所が決まる。
昨日は台風の合間を縫って、群馬県の上野村へ。
長年のバンドネオンの生徒でもあり、昨年この地でフランスのアーティストとの素晴らしいコンサートを主催してくれた、上原美穂ちゃんに、会いに行った。
彼女は2ヶ月前、ガン闘病の末に天国へ旅立った。
幼い子どもたち3人を残して。
亡くなった方は決してお墓の中にいるのではなく、森羅万象に宿っていのだと、そしていつも私たちの心の中にいるのだと思う。
だからできるだけ、笑顔で見送り、時々賑やかに家族の元を訪れ、楽しい時間を過ごしたい。
上野村の子供たちのこの村が大好きな理由は色々あるけれど、「人が優しい」と答えてくれた子がいたそうだ。
上野小学校の梯(かけはし)校長先生は、この村の太陽のような方だと思う。
穏やかな笑顔の中にも、一本筋が通った強い信念を感じる。
この村での温かく、きめ細やかな先生たちのご指導で、子どもがとても子どもらしく、元気でかわいい。
昨日はただ、校長先生、音楽の佐藤先生などの先生方に会いに行ったはずが、サプライズでたくさんの子どもたちが集まってくれていた。
バンドネオンの響きは、真っ直ぐにみんなの心に届いたと思う。
情報に溢れかえる都市部でも、実際目の前で、この楽器の生演奏を聴くことはほとんどないだろう。
ネットやスマホでいくら動画を見たとしても、それは「知識」でしかない。
本当の「経験」は、その場に居合わせ時間を共有し、空気の振動で音を聴くことだと思う。
この村のみんなは、大人も子どもも、きっと自然にそれを感じている気がする。
上野村のみんな。
そして、一緒に行ってくれたみんな。
ありがとう。
忘れてはいけない、大切なことを思い出させてくれる場所。
上野村、大好きです。
また、来るね!