1982年から巡ってきた、ピアソラの魂

日々想うこと

いつもいつも同じことをやるなんて私はもっとも軽蔑する。

新しいものを探すことが、流れる血を持っている証明でもある。

ピアソラの音楽はタンゴであり、アルゼンチンの心を持っているけれども、アルゼンチンに留まってはいない。

音楽は、全世界的でありたいと、私は思っている。

(1982年アストル・ピアソラ・キンテート日本公演のパンフレットより)

「もう、真似をするのはやめねければいけない。」

42年前に、ピアソラはそう言っている。

私はピアソラの精神を尊敬しているが、ピアソラの曲をそのまま演奏することには興味がない。

できれば、天国のピアソラが考えもつかないやり方で、弾いてみたいと思う。

そして私は私のやり方で、「新しいものを探して」いきたい。

時空を超えて、我が家に届いたこのパンフレット。

サインは直筆。

うっかり間違えて楽屋口から入ってしまって、その時共演していた歌手の藤沢嵐子さんのご好意でピアソラから直接、いただいたものだという。

「あんたのいつも言っていることと、似てるような気がしてね」

当時のチケットには最前列の刻印が。

熱量は、時代を越える。

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