気になっていた、是枝裕和監督の「怪物」を観てきました。
最初、「あれ、これもしかして、観た後嫌な感じが残る苦手なタイプの映画?」と思いましたが、、、!!!今回、脚本に期待して行ったのを忘れてました。いやもう、展開に引き込まれて2時間があっという間でした。映像も、美しかったし、提示されている問題意識についても、ごく日常的に(思えるよう)、恐いほど淡々と描かれていて、それが逆に心を抉られるようでした。
最初、「一体誰が怪物なんだろう?あの教師かな?母親?まさか、子供たち??」なんて思っていましたが。
誰も「怪物」じゃないし、誰もが「怪物」になり得るんだよね。
一人一人にその人なりの物語がある。切り取られた部分はその一コマでしかない。
本当のことをまっすぐにいうことで世の中に馴染めなかったり、そのせいでいじめられたりする。言える人に憧れたり、でも自分はそうはなれなかったり。
誰が善で誰が悪か、と人を裁くよりも、結局「自分に嘘をつかずに生きられるか」なのかなと思う。
最後、少年たちが大声で叫びながら走り抜けるシーンはもう、やられました涙。ああ、生まれ変われるならあの年頃の少年になりたい。
森の中の廃バスの基地!超ツボでした、、、、。
そして、エンドロールには坂本龍一氏の美しいピアノが流れて、、、いるというのに!
「なんか理解できない映画よねえ、つまらなかったわあ、お昼、どこで食べよっか〜」など延々と喋り続ける妙齢の女性グループが、、、、
「うるせえんだよ!」
後ろの方から、男性が涙声で怒鳴りました。
私もこれからこういう場面に出くわしたら「静かにしてください」って、ちゃんと言おう。
だから、映画館で観るっていいんです。
家でネットで観ていたら、こういうことは経験できない。
これが、大事なんだと思います。
素晴らしい作品でした。
また映画館に、来よう。
シネコンはあんまり、好きじゃないんだけどね笑。