魂を削りながら音を出す〜郡山ツアーまとめ〜

N-VANのこと

今回の郡山滞在では、「本質を感じる」ということについて深く考えさせられました。音楽、絵画、彫刻、詩、そして食べ物や人と人との付き合いに至るまで、このツアーでは素晴らしい経験ができたと思います。またまた長くなりますが、4日間の出来事をまとめたいと思います。

9/2(金)東京から郡山へ、車で移動

朝から雨。「家の前に車をつけて荷物を積み込む」という憧れをやってみます。しかし、駐車場から自宅前までは一方通行が多く、目白通り、仙川通りなど交通量の多い道をぐるりと回る必要があるのです。。。でもやっぱり助かった!

雨で事故渋滞が多発している模様。SAで休憩しながら80キロキープで向かいます。

SAレストランには入らず、車中でコーヒーをいれ、横になってくつろいだり。やっぱりいいなあ、このキャンパー仕様。

1時間に一回のペースで休憩。羽生PA、那須高原SA、安積PAに立ち寄りました。

いずれも綺麗で居心地の良い場所でしたが、特筆すべきは「安積PA」!ここには24時間使えるシャワールームがあります!

男女別になっていて、なんとドライヤーまである!

大きなレストラン施設はないのですがその分人も少なく、いい感じのPAです。ドッグランもあるので緑も多く、ワンちゃん連れの方もくつろいでいました。

桃も売っていた。

ここは福島入りする最後のPA。ガソリンスタンドもあります。トイレも広くてめちゃくちゃ綺麗。もしや、絶好の車中泊スポットでは!帰路で上りもチェックしよう!

ここから郡山の「小さな森の和美術館」は30〜40分ほど。一般道に出てからちゃんと辿り着けるかどうか不安なのでナビをチェックします。

本宮ICをでて、一般道を走ります。福島は車が少なくて走りやすい!し、しかし!どんどん山の道になっていき、くねくね曲がりくねりながら狭い道を注意して運転。そして!!!

そういえば美術館は山の中腹にあったような。。。

予定通り到着、館長の大島和子さんに指示を受けながら砂利と石の急な山道を登ります。一応kazane号は四駆なので威力を発揮!なんとか登り切って美術館の前に横づけます。ふうううう。。。

感動!!!!

彫刻家、詩人の嶋尾和夫さんとも再会!

館内にはすでにしまちゃんの作品が設置されつつありました。ああ、やっぱりここは、、、、聖地です。お庭の枝垂れ桜にご挨拶。

近所のお風呂に連れて行っていただき、さっぱりしたところでしまちゃんの庄内のお土産、茶豆と蒟蒻をつまみながら作品と共に乾杯。

なんと、大島さんが囲炉裏ですいとん汁を作ってくれました!

実は3人は6月の大鳥音楽祭でも顔を合わせていて、久しぶり、でもないんだけれど、話は尽きなく、、、しかし、長距離ドライブと明日からの演奏のことも考えて早寝。今夜は庭で車中泊!最近、車の方が落ち着きます笑。明日は「長田良夫袖庵画室」矢吹町まで1時間ちょいの車旅、そしてコンサートです。

締めの焼きとうもろこし、縞ホッケ!ホッケの骨!が本当に美味しかった!やっぱりやっぱり火は良いなあ。

9/3(土)矢吹町まで1時間半の自走、そして「長田良夫袖庵画室」コンサート

おはよう。ぐっすり眠りました。

もちろん美術館のトイレも使えたのですが、夜中、これで車内でペットボトルに用を足すことができます!シリコン製で実は医療用品、妊婦さんや介護にも使われている商品。私はフランスのマネージャーに教えてもらいました。女子の立ちショングッズです!

車中泊女子なら誰しもトイレ問題に直面すると思いますが、これは本当に便利!ペットボトルに溜まったおしっこは、翌日トイレに流せばOK、これも水洗いすれば臭いません。小さくたためます。

大島さんが朝ごはんを持ってきてくれた!美味しすぎる!!!

その後、しまちゃんと大島さんはお買い物へ。そして会場に程近いレストランで待ち合わせ。長田さんが好きだったイタリアンレストラン。ナビで検索したら1時間半弱。初めての郡山市街地、自走の旅。

くねくねの道を抜けて国道に出たら、あとはほぼ真っ直ぐ。問題なく到着!

そしてまたパスタランチをいただき、3人とも、お腹いっぱいです笑。

長田良夫袖庵画室に、到着!ここで、作品を作っていたのだなあ。

コロナ禍開けにはコラボしようと楽しみにしていたのに、、、。

長田良夫さんについて、そして私たちの関わりについてははこちら。

この日は90歳を迎えられた奥様の良枝さん、そしてお身内の方限定です。CDの盤面に使用させていただいた大きな作品の前で演奏。設営中はkazane号の中で身支度や演奏準備。本当に良い楽屋です。

バンドネオンのこと、長田さんのこと、音楽のこと、アートのこと、、、きっと長田さんもきてたと思います。たくさんお話しして、心を込めて演奏しました。

猫のくうちゃんが演奏すると、にゃあにゃあ鳴いてました。今回の旅では、動物君たちが私の弾くバンドネオンにものすごく反応してくれたのが不思議でした。

この後、長田さんが残された膨大な量の作品や、所蔵されていた本、レコードを拝見しました。センスいい!知らない国の音楽や貴重なレコードのデザインにうっとりです。エチオピアの音楽を大音量で聴いていると不思議な気持ちになりました。

今夜は近所の「矢吹ステーションホテル」に宿泊。一階の居酒屋に奥様と共に。

いつもはお話し好きだった長田さんがよく話されていたらしいのですが、良枝さんがいつになく、たくさんお話ししてくれたようです。戦時中、国語の先生だったこと、生徒との触れ合い、その時代ならではの出来事、そして、人と人との繋がりについて。終始やわらかい口調でしたが、今の時代に語り継いで欲しい内容でした。

90歳には、、、、とても見えない。

私は人間は肉体年齢ではないと、いつも思っています。年が若くても老人のように保守的な人もたくさんいる中で、良枝さんはいつまでも生き生きとした、普遍性を持っていらっしゃる方だと感動しました。めちゃくちゃ、可愛らしい!!!またお会いしたい!!!

9/4(日)矢吹町から車移動〜郡山・小さな森の和美術館コンサート〜磐梯熱海温泉まで自走!

翌朝、嶋尾和夫さんを乗せてkazane号で美術館へ。1時間半の車旅です。しまちゃんのためにメルセデスソーサの音源をかけ、いろんな話をしながらの移動。

到着!

館内は長田さんの作品も加わって、より良い感じに。作品たちに見守られているようです。

なんと!小川紀美代コーナーが!オードリーとケードリー、クラファンで制作したCDが展示されていました。そう、今日がクラファンリターンライブ、最終日です。

お昼ご飯は大島さんの妹さんが、こんな素敵なカゴに入れてくれました。取り皿は庭の柿の葉。

車の中で準備をしていると、川俣コスキンの齋藤さん、優子ちゃん、大内さんが!!!今年のコスキンポスターを持参してくれました。

今回は少人数で開催するため、1日で2公演です。

photo by Akie Koizumi

大島さん、しまちゃん、長田さんの作品、そして待っていてくれたお客さんたち、、、そしてこの「聖地」の空間、、、なんとも言えない響き。

コロナ禍、家にこもって一日何時間も練習をしていました。勉強になったけれど、空虚でした。辛かった。でも、この日、確かに奏者、お客さま、会場、この三味一体感を感じ、エネルギーの交換ができたと思いました。

演奏後、「紀美代さんは魂を削って演奏しているんだね」としまちゃんから感想をいただきました。嬉しかった。それを感じてくれた、ことが。

終演後、磐梯熱海温泉の「きらくや」という温泉で打ち上げをすることに。

大島さんの車の跡をついていくも、信号で逸れてしまい、ナビで自走。真っ暗な山道。初めてハイビームが自動でつく。という経験をしました笑。温泉街へはたどりついたものの、駐車場の場所と反対側に案内されて右往左往、、、Uターンして反対側へ。いやー、この数日間で、確実に運転のスキルが上がった気がする笑。

お風呂に入って、大島さんお気に入りの焼き鳥屋へ。

塩で!と頼んだ焼き鳥がめちゃくちゃに美味しい!!!結構真面目に白熱した議論をしたり、有意義な呑み会でした。こういう話ができるのも、ちゃんと聴いてくれて、自分自身の意見を持っているから。そのことが本当にありがたく、嬉しい気持ちでした。

9/5(月)ラジオ局・ココラジで演奏とお話を収録、開成山大神宮にて音出し、そして東京へ移動

まずは、磐梯熱海温泉から郡山の中心地にあるラジオ局に自走です。これが一番緊張した!でも、かなり運転に慣れてきて、近くまでは問題なく到着。しかし、一方通行の小道に迷い込んでココラジ・鈴木さんにヘルプの電話。

なんとか駐車場に車庫入れができました。なんと鈴木さんも車旅派で、「車は自分時間で動けるからいいね」などと盛り上がってしまいました!

実は収録したのはこことは別のスタジオでしたが、こっちの方がラジオっぽい。ということで写真を撮りました笑。

鈴木さんとのお話と収録はとても自然で気持ちよかったです。音楽をちゃんと大切に考えてくれている方だなあ、という安心感がすごかったです。

オンエアは9/8(木)19:00からです!

収録後、来週のコンサート会場である開成山大神宮へ。宮司の宮本さんにお会いし、なんと神宮内部の御本尊の前のステージで音出しをさせていただきました。素晴らしい響き!もしかしたらPAはいらないかもしれません。。。宮本さんも、音楽に深い理解のある方だと感じました。

音出し終了後、東京へ。郡山スマートICから乗ります。お二人がスマートは乗ったことある?と心配してくれましたが、注意しながら東京方面へ無事入れました。

気になっていた安積PA(上り)を偵察。下りと同じようにシャワーやドッグランがあるきれいなPAです。うん、やっぱりここは福島行きの拠点になりそう!まあ、来週については「ホテルにしましょう」というご提案をありがたくお受けします笑。でも絶対車中泊に向いてるPAです。おすすめ!!!

今まで音楽を聴くと聴き入ってしまい、注意力散漫になるので無音で運転していましたが、ラジオを聴きながら、は大丈夫みたいです。うん、楽しい。

帰りがけに、上河内PA、那須高原PA、羽生PAに立ち寄りました。羽生PAは鬼平犯科帳の世界で、びっくりでした!

順調に高速を走り、また外環から大泉ICへ。と思っていたら事故渋滞らしい。途中で初めての圏央道へ入り、鶴ヶ島JCTから関越へ、そして練馬ICから一般道へ。これは初めての経験なので緊張したけれど、圏央道がかなり気持ちよかったです。おかげで渋滞に巻き込まれることなく、帰途に着くことができました。

到着!!!

頑張ったね!kazane号と私!

福島のお酒と食材でおうち打ち上げ!

いやー、やっぱり自宅は良いです。

早速いただいた福島の野菜を炒めて、福島のお酒で乾杯!うますぎる!!!!

呑みすぎました、、、久しぶりに記憶が全くありません、、、、翌日は幸せな二日酔いでした。

魂を削って音を出すには、受け手が必要なんだ

これは、聴き手がいないと成り立たないんだ、と深く感じました。今回、どの日も、聴いてくれている方々がが深く受け取ってくれるのがくれるのが弾いていてわかるのです。だから、心からの音を届けることができる。魂を削ることができるのです。

毎日、感動していました。自分の演奏を聴いてもらえることに。

クラファンリターンライブ、最後のツアーにふさわしい、なんだかみんなにたくさんの贈り物をもらったような旅。書いているだけで、泣けてきます。本当に。

月並みだけど、音楽はハートだよね。そしてこれからも、ちゃんと自分の心を伝える演奏を、していきたいと思います。

みんなの笑顔と優しさに、感謝。

本当に、ありがとう!

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